若いもんは手品師。

若いもんは手品師。

2020年12月10日

今から50年前、私の高校時代のサーブは如何にブチ切れの下回転になるか、それが卓球の常識の様に考えていました。最近の若いもんはナックルを主にしてサービスを構成し、たまに下回転でミスを誘おうとします。どうも考え方が逆です。またそのナックルもドナックルではなく、やや上か下の回転が掛かっているナックルサーブです。若いもんの一人に聞くと、切れていないナックルは球のメーカーのロゴが見えてしまい、もろにナックルだとばれてしまうからだと解説してくれました。だからロゴが見えない程度に回転を掛けるのだそうです。なるほど。

また極端に異なる回転が掛かっていると軌道が明らかに違って、回転が見抜かれてしまうので、弱下、弱上の回転を掛けて同じ軌道を描いて同じ球種に見える様にしています。

日頃お世話になっている男性コーチは巻き込みサーブを得意としています。同じモーションで下回転か上回転か全く分かりません。「今時の若いもんのサーブは分からん!」(今時の若いもんのサーブは分からん!(台の外レシーブ編) 今時の若いもんのサーブは分からん!(台上レシーブ編))で回転の見分け方紹介しましたが、それでも球種が分からずネットミス、オーバーミスをしてしまいます。種明かしして頂いても分かりません。コーチは「このサーブはLiLiピンポンチャンネルの村田雄平氏が紹介しています」と教えてくれて、早速その夜、動画を拝見致しました。25分と長い動画ですが、ご参考にどうぞ。

簡単に言うと、下回転は単純に下方向に、上回転は横回転を掛けて、インパクト後にラケットを下方向に動かします。只それだけですが、やはり動画の中でも同じモーションに見えてしまいます。コーチに「もし相手が同じサーブを出して来たら分かりますか?」と聞くと、「分かりません、だから最強のサーブなんです。」と仰いました。このコーチは最近、千葉の柏市の市民大会で優勝したそうです。このサーブか結構効いたのは間違いありません。私もマネて今修得しようとしています。

また最近、良く子供たちに卓球を教えているという方から下回転のサーブの出し方をお聞きしました。「教えて欲しい」と頼んでもいないのに…😓

私の時代は(上図➀)下回転は斜め下方向にラケットを移動させていました。前方に力が加わっているので強い回転を掛けても手前には戻って来にくく、(上図➁)最近の若いもんの下回転はラケットを水平にして球の底を擦ります。前進する力がないから弱下回転でも手前に戻って来ます。

➁の方が球が戻って来ると言う理由で➀より切れると説明しています。ちょっと違うんじゃね?と口には出しませんでしたが、ただ球の伸びが全く無いので相手がレシーブしにくいのかなと思いました。そう言えば納得するのに😁

数年前、近隣の卓球教室の中国人コーチが生徒を集めて「卓球はサーブ、レシーブで殆ど勝敗が決まる。サーブレシーブの得点率は70%、三球目以降は30%程度の試合構成になる」と熱く語っていました。

ロートルとダブルスを組み、パートナーがサーブミスを3、4本するとほぼ負けてしまいます。試合になりません。

テニスもサーブだけで勝敗が決まる場合がありますが、卓球ほどサーブ力によって勝つ確率の高くなるスポーツはないと思います。何せ360度、球体のあらゆる面を捉えて種々雑多な回転が生まれ、そこにフェイクモーションが入るともう手品です。マギー司郎やナポレオンズよりも高度でタネがばれません。

もうこうなったら「フィンガースピンぶっつけ投げ上げサーブ」でも修得する?いや「消えるサーブ」を編み出せないものか、考えております。

追記

昔、銀座に手品師のいるスナックがありました。今でもあるのか知らん?結構飲み代が高くて、レモンの手品のネタが分からず暫く通った記憶があります。そのネタが数年前、YouTubeで紹介されていました。ネタが分かれば「な〜んだ!」とガッカリ。こんな手品で金をつぎ込んだのかと情けない思いです。10分の動画ですが、興味のある方どうぞ。

丹阿弥清次

1955年生まれ。広告デザイン会社退社後、デザイン会社を起業して三十数年。卓球歴は大学以来40年の空白状態。還暦前に再挑戦。しかし奮闘努力の甲斐もなく今日も涙のボールが落ちる。

※批判的なコメントはご容赦願います。