こんな私でもオバサマ方から卓球技術に関する質問を受けることがあります。上手く振れない、強い球が打てないとかなり素朴な質問ですが、こう言う方達に共通して言えることが、ラケットの握り方が悪いということです。
昔、活躍した長谷川伸彦選手(全日本シングルス優勝6回、2005年没)は人差し指をラケットの真ん中に置いた一本差しと呼ばれるグリップで威力のあるドライブを打っていました。(下図)
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長谷川選手の一本差しの記事が最近「卓球王国」に掲載されていました。ロビングする際、少しでも高い球に手が届く様に一本差しで握るというエピソードが書かれてありました。知らなかった😁。長谷川選手はラケットの面を横にして振っています(下の写真)。横にすればまだしも縦にしてプッシュの様に押していてはまともにフォアハンドは振れません。また一本差しはグリップが浅くなるため、握力が強くないとラケットが安定しません。長谷川選手だからこそあの一本差しで大成できたのでしょう。
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そんな一本差しのグリップを、オバサマ方は何も考えず妙なフォームで振っているのです。一本差しはフォアもバックもラケットヘッドが上がりやすく、ラケット自体も立ってしまいます。しかも握りが浅くなるのでラケットの面がブレやすくなります。(但し、表面─裏ソフト・裏面─表ソフトの選手の場合、面を立ててフラットに打っても構いません。表ソフト、表一枚ラバーは弾く様に打つと相手の回転の影響を受けずに強打できます。Ex.伊藤美誠選手のミマパンチ)ラケットが立ってしまうと、ラケットを横に振ることはできず、手首で振っているため、団扇の様にラケットの先端が弧を描いてしまいます。(下図)
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弧を描くと打球のタイミングにより打球点がバラバラになり安定しません。早い打点ではオーバーミス、振り遅れるとネットミスしやすくなります。
またラケットを立てて打っていると高い球は打ちやすいかもしれませんが、低い球が来ると腕が伸び切って上半身を突っ伏してしまい、へっぴり腰になって打っています。(下図)これでは球に威力は出ません。いつまで経ってもピンポンです。
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以下、シェークハンドクラブ平岡義博氏の矯正法です。
まずラケットを使わず、素手でボールを掴んでもらいます。手の平を後から前に振って掴もうとすると難しく、右横から左横に振ると掴みやすくなります。
次に素手で掴んだ感覚を意識しながらラケットを持って練習です。表面は親指で、裏面は人差し指、中指、薬指、小指を揃えて、ラケットを挟んで持ちます。これでフォアハンドを振ります。裏面の4本の指を意識して手の平で打つ感覚を養います。余り長く練習するとオバサマ方は飽きてしまうので程々にします。
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次にラケットを正しいグリップで打ってみます。一本差しがここで矯正され、スムースにスイングできていれば成功です。練習の始めに10分でも良いので、素手で掴み、裏面4本指で打つ練習を習慣化すれば、徐々に一本差しが矯正されます。
また杉本コーチは人差し指の位置に何かシールの様なものを貼って意識しながら振るといいかもしれないと仰っていました。
ただその日、その時は目に見えて上達するのですが、翌週またオバサマ方と練習すると、すっかり先週掴んだコツを忘れてしまい元に戻っています。中高年には理論も練習も大事ですが、記憶力も大事です。ですから、卓球日誌を作って、忘れない様にその日のうちに書き留めてくださいとお願いしています。(でも書いたことを忘れ、日誌がどこにあるかも忘れてしまう ─ きみまろ)
ペンホルダーのグリップで絶対にやってはいけないグリップとは?すみません。日ペンは分かりません。中ペンは模索中です。どんな握り方でもその方に合っていれば宜しいのではないかと思います。裏面の3本の指を丸めて握っている方もいます。かと思うと、3本指を目一杯広げて打っている方もいらっしゃいました。また人差し指と親指で表面のグリップを固定し、裏面の指はゲンコツを握る様にして、ほとんどラケットに振れていない様な方もいました。不思議なグリップを数多く見てきました。それでいて、とても個性的かつ奇っ怪な卓球で強い方がいます。
しかしペンホルダーのグリップを追求するととても奥深い様に思えます。フォアハンド時は、親指に力を入れながら打つ。裏面打ちの場合は、親指から人差し指に力を入れ替えながら打つ(これはあくまで一例です)。またバックからフォアの切り返しも親指に力を入れてフォアの適切な面を作る。片面ペンホルダーはフォアからバック、ショートに切り返しは親指を浮かせ親指の腹をブレードのフチ当てる、等々。シェークハンドよりかなり複雑です。そこが面白いところでもあります。
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