40年ぶりの再会

40年ぶりの再会

40年振りの再会と言っても、昔の初恋の女性ではありません。三つ年上の従兄弟にお会いしました。幼少の頃は、彼の弟と私の姉を交え、神奈川と埼玉のお互いの家を行き来して4人で仲良く遊びました。

10年以上前の父の葬儀の折、叔母に暫く音信の途絶えていた従兄弟の連絡先を尋ねました。電話番号からメールアドレスを知る事ができ、本当に便利な時代です。

まず近況でも尋ねてみようかとメールを送りましたが、連絡が取れるのか定かではありませんでした。しかし、なんと数日後に返信がありました。

従兄弟は大学卒業後、出版社に勤務し、それから独立して編集の仕事を続けながら彫刻家として活動している様です。編集者から彫刻家。驚きの変わり身。私も出版関係の仕事を7年続けていましたが、出版業界にこのような転身をされた方は誰もいません。

彫刻家と聞き、最初は仏像でも彫っているのかと思いきや、制作風景の動画がアップされていたので、拝見したところ正に現代アートでした。失礼致しました。彫刻と聞けば仏像と思うこの発想力の貧困。

そして先週土曜の27日に彼の作品が展示されている二紀展(東京都美術館)に姉と千葉から車で伺いました。

都美術館
上野公園

昼の1時頃、上野公園に到着して、美術館までの満開の桜と密な人混みを堪能致しました。飲み会も旅行もすべて自粛して、1年以上東京に出向く事がなく、ちょっと気分転換にもなりました。

美術館のロビーで再会した時は立派な彫刻家の先生と言う印象を受けました。しかし昔の面影が残っていて懐かしい想いもしました。一瞬にして40年の空白が埋まった様な気がします。

従兄弟は20年前に二紀展に出品して以来、数々の賞を受賞し、現在は二紀展の委員になっています。展示コーナーには10数点の作品が陳列されていました。主に大理石を素材にして作品には彼の人柄の優しさと知性が表れている様です。硬い大理石が柔らかく感じられます。平面のデッサンで形を模索して、石に向うと頭の中で鮮明な立体のイメージを持ちながら彫り進んで行く、推測するにそんな制作過程なのでしょうが、私の様な凡人には到底不可能です。どの様な頭の構造になっているのか、尊敬の念に堪えません。この日は素晴らしいものを観賞することができました。コロナが終息した折り、次回はお酒でも飲みましょうと約束して美術館を後にしました。

行きは良い良い、帰りは怖い。久しぶりの東京。久しぶりのナビの利用。(地元ではナビは滅多に使いません。)ナビを有料道路設定にしているのですが、一般道路に私を誘導します。行きはちゃんと誘導してくれたのに。🥲何とか高速に乗れたのが舞浜。前日に取説をしっかり見ておけばよかったと反省致しました。😩

東京都美術館 第30回東京二紀展 彫刻家:田中ショウ

丹阿弥清次

1955年生まれ。広告デザイン会社退社後、デザイン会社を起業して三十数年。卓球歴は大学以来40年の空白状態。還暦前に再挑戦。しかし奮闘努力の甲斐もなく今日も涙のボールが落ちる。

※批判的なコメントはご容赦願います。