昭和40年代のテレビをご覧になり少年時代を過ごされた方には懐かしいと思います。未熟な人間が師に導かれ成長して行くプロセス、そして、「特訓」、「根性」なんて言葉に私は憧れていました。
●王貞治と荒川博打撃コーチ
「一本足打法」
荒川博打撃コーチは駒田徳広選手ほか多くの選手に一本足打法を伝授しようとしたが、会得できた選手はほとんどいないという。すなわち、一本足打法が優れているのではなく、王のバッターとしての資質が優れているのであり、この打法はそれを引き出すためのものにすぎないという考え方になる。(wikipediaから引用)
※とは言え、資質が引き出され、一本足打法で王選手が本塁打868本もの記録を達成したのですから荒川コーチの大成功です。真剣を使っての特訓、こんなエピソードも日本人は大好きです。
●矢吹丈と丹下段平 ~明日のジョー
「明日のために」
矢吹丈が少年鑑別所に入所して独房入りされた時、丹下段平から一枚のハガキが届けられる。そこには「明日のために(その1)」と銘打ったボクシングの技術が綴られていた。独房で暇を持て余していた矢吹丈は懸命に練習に励む。
※いい加減に生きて来た矢吹丈が始めて真剣に打ち込む姿は感動的でした。もしかしたら独房の中でひたすらラケットの素振りをしたら全日本卓球選手権に出場できるかもしれません。
●一条直也と車周作 〜柔道一直線
「地獄車」
相手の両膝の裏側に自身の両足の踵を押し当てるように組み付き、相手の力を利用する形で前方または後方に倒れこんで、そのまま回転しながら何度も地面に叩き付けて最悪の場合死に至らしめる文字通り必殺技。この技を一条直也は車周作から伝授される。
※地獄車を修得しようと石段で訓練した柔道部員が本当にいたと岡山の友人から聞いたことがあります。当然、骨折してしまった様です。良い子の皆さん、マネをしないでください。(この特訓は卓球には活用できそうにありません。)
●星飛雄馬と星一徹 〜巨人の星
「大リーグボール養成ギプス」
一徹が飛雄馬を鍛えるために作った運動器具。この物語は常に特訓、特訓で終始していた。
※小学校4年生の時、親から買ってもらったエキスパンダーを改良して、大リーグボール養成ギプスを片腕分作りました。ところがエキスパンダーのバネに腕のお肉が挟まり、痛い思いをして断念しました。マンガの嘘に少年の心は少々傷つきました。これで特訓できていたら長谷川伸彦選手のようなスマッシュが打てたかもしれません。
●ダニエルとミヤギさん 〜ベストキッズ 1984年制作アメリカ映画
空手の達人ミヤギと知り合い、空手を教えてもらう約束をするが、来る日も来る日も「塀のペンキ塗り」と「車のワックス掛け」だった。遂に嫌気が差し、空手を教えろと迫るダニエルに、徐にミヤギは正拳を放つが、ダニエルはいとも簡単に防御してしまうのである。
※ペンキ塗りの訓練は逆モーションのスマッシュが得意になるかもしれません。ワックス掛けはワイパースイングが必殺技になるかもしれません。
これらのネタは先生と弟子、コーチと選手、父と子、の師弟関係を描いています。ある時は不信感を持ったり、ある時は絶大な信頼関係が生まれたりとやはり師弟関係は感動的なドラマの常套手段だと思います。
信じきれる師がいるかどうかで選手の上達が左右するとすれば、コーチの責任は非常に重いと思います。才能を引き出してくれる師がいなくても、卓球の上手な方は沢山いますが、やはり「亀仙人」の様な人がいれば心強いに違いありません。
素晴らしい監督、顧問、コーチに出会えることを祈ります。南無。
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ツッツキ
卓球教室の50代、60代の小母さま達はツッツキが皆上手です。ツッツキのラリー練習をしていると、こちらが先にミスしてしまうことが多く、悔しい思いをします。小母さま達は試合でもツッツキを主力にして相手のミスを待つ戦い方をするので、ツッツキに磨きが掛かっています。なんとかミスが少なくならないかと、またもや杉本コーチに泣きつきます。
そこで杉本コーチ曰く、ツッツキは球の上昇期を狙って打つ。球の上昇する勢いとラケットの下降する勢いを交差させる様にスイング。そうすると強い回転が生まれます。姿勢を低くして胸の辺りで球を捉え、球の丸みに沿う様にスイングします。ラケット面はインパクトの瞬間は斜め上ですが、振り終わりはラケット面は真上を向きます。
少し安定してきました。杉本コーチにまた感謝です。よーし!小母さまども、待ってろよー!