肩甲骨打法、知ってはいたけど。

肩甲骨打法、知ってはいたけど。

2020年11月6日

杉本コーチに指導を受けて2年半が経とうとしています。

常々、コーチの口癖は「私の卓球は省エネです。」と言われます。廻りの方からも「省エネ卓球」と評価されている様です。

確かにファオもバックもスイングはコンパクトで、フットワークを使って大きく動くことも少ない様に思えます。三球目のドライブも水谷選手、張本選手、吉村選手のような力強い大きなフォームではなく、とてもコンパクトです。それでも威力があるのは、ライジングで球を捕らえて、前陣でピッチの早い攻撃をするためと思われます。

「若い選手と対戦した時、後陣に下がって引き合いの様なラリーをすると私は負けてしまいます。」とお話しされていました。全日本学生で優勝までしたコーチが戦い方一つでその辺の若造に負けてしまうかもしれないとは驚きでした。ライジングを駆使して前陣速攻で戦う方が、後陣のロングボールで戦う若造より有利なのです。引き合いでラリーを続けると見た目は派手ですが、それよりも後に下がった相手にタイミングを外す早いピッチで返球すること、際どいコースを突くことで勝てる卓球を実践しているのだと思います。

たまに私が下がって打ってしまうとコーチから「前に出て打ちましょう」とアドバイスを受けます。

先日、マンツーマンの練習の折り、省エネ卓球のコーチに「肩甲骨なんか使っていますか?」と質問致しました。「そんなもん使っていません」と返答があると思いきや、「使っていますよ」と一言。軽く一球打って頂くとしっかり肩甲骨が動いているではありませんか。省エネ卓球でも肩甲骨を使っていることにまた驚き。杉本コーチが肩甲骨を使う理由は腕に「しなり」を持たせたるためと仰ってました。「しなり」があると威力が増すのは私にも分かります。

高島規郎氏の「続・卓球戦術ノート」で紹介されている「肩甲骨打法」では、「肩甲骨を動かす意識を持つと肘がより後に引かれるため打球できる範囲が広がり、打球の威力が増大する」とあります。また前述致しました8の字打法にも肩甲骨打法を取り入れるとより威力がある様です。私は対下回転の球を8の字打法でドライブする時のみ肩甲骨を使っていましたが、常に使える打法だと言う認識はありませんでした。8の字打法

また「前でさばく」ドライブはスイングが単調なため打球する前に相手にコースを読まれてしまう。バックサイドで詰まらされた時も肩甲骨を使えば威力とバリエーションのあるフォアハンドドライブが打てる」とあります。もっと詳しくお知りになりたい方はamazonでご購入ください。

私の場合、チャンスボールが来て、満を持して強打しても、ネットを越えず、力のない球が自領コートに落ちてしまいます。詰りもせず、インパクト時も余裕あり、前方で打っているにも拘らずポトリと落ちてしまうのです。上級者の方に「詰まって打っていますよ。もっと前で打ったほうがいいです」とアドバイスを受けましたが、どうも腑に落ちない。納得できない。その方の球は回転の掛かった球ではなく、ラケットを垂直にして球を運ぶ様な打ち方なのでナックルボールになっています。球質がナックルボールであろうが、球に詰まっていようが相手コートに入る時もあります。では入る時、入らない時はどこが違うのか?7年間ずっと悩みの種になっています。

もしかしたらインパクト時、ラケットが加速して打球しなければいけないのに、ラケットは止まったまま球に当たり、インパクト後にようやくラケットが動き出しているのではないか?だから球に力が伝わらずラバーに引っ掛かることもなく、滑り落ちる様に球が落ちてしまうのではないかと考えました。

今更フォームを改良するのも残り少ない余生を考えると億劫で、手っ取り早い解決法はないものかと思案していると杉本氏と高島氏の肩甲骨打法が思い浮かび、早速練習に取り入れてみました。

図1は肩甲骨を使わずにスイングし始めている場合です。テイクバックして打球しますが、詰まってしまうと球とラケットとの間隔(遊び)がなく、インパクト時に球に力が伝わりません。

図2の様に肩甲骨を閉じる(胸を張る)意識を持つと肘が引けてラケットと球との間隔が生まれて、図1では詰まる様な球でも楽にスイングできる様です。私の場合、肩甲骨を意識するより、フォアもバックも肘を引く意識を持った方が結果肩甲骨が使える様になりました。図4のバックハンドも同様に打球できる範囲が広がり、肩甲骨を開く(胸をしぼる)ことにより詰まることなく威力のある球が打てます。

体の前方で球を捉え、ラケットを横に振れば、回転も掛かりオーバーミスすることなく、相手のコートに収まると以前お話ししました。「体の前方で打つ」と「肩甲骨を使い引き付けて打つ」とは矛盾して聞こえるでしょうが、肩甲骨打法は詰まっても打てるということもメリットですが、タメを作ってインパクト時に威力のある球が打てるということがメリットだと思います。インパクト後はやはり球を押さずにラケットを横に振ることでオーバーミスを防ぐことができます。

しかし年々、体が固くなり、肩甲骨の硬さも感じます。お風呂の中でできる簡単な肩甲骨のストレッチを始めています。またamazonで「背中バキバキ 家庭用 肩こり 腰痛 姿勢 猫背 矯正 ストレッチャー」を購入しました。これは結構、きつい拷問器具です。すべては卓球のために、アンチエイジングのために。

丹阿弥清次

1955年生まれ。広告デザイン会社退社後、デザイン会社を起業して三十数年。卓球歴は大学以来40年の空白状態。還暦前に再挑戦。しかし奮闘努力の甲斐もなく今日も涙のボールが落ちる。

※批判的なコメントはご容赦願います。