中高年のための対下回転ドライブの極意

中高年のための対下回転ドライブの極意

2020年8月24日

日本を代表する名選手達です。彼らは若く、体力も気力も漲って、フォームも大きく、全身を使ってプレイしています。

「わしはまだまだ若いもんには負けん!」と豪語する中高年の方もいらっしゃるでしょうが、ほとんどの御仁は「若い頃はオールフォアで打っていたもんじゃ。バックなんか使わんかった!」とのたまい、動きの良かった昔の自分を懐かしんでいると思います。

そこで今回、非力な中高年にも無理なく打てる対下回転ドライブの方法をお話し致します。

まず、精一杯力を込めてドライブしてもなぜ球はネットを越えないのでしょうか。

それは若く力のある選手なら、下回転の回転スピードよりラケットスピードが勝っているから、球がネットを越えるのです。

それでは非力な中高年が下回転のスピードに打ち勝つにはどうすればよいのか。

その解決法は「回転軸を外して打つ」と言うことです。

回転軸を外すには角度打ちも一つの方法ですが、高島規夫氏、シェークハンドクラブの平岡義博氏、東山高校卓球部顧問の宮木操氏の提唱する打ち方をご紹介します。

下図のラケットの軌道を参照願います。

左の図】インパクト後は前に押すことなく、手前にラケットを引き寄せます。球を押さずに打つコツは、手を前に伸ばして球を捉えます。また踏み込んでしまうと球を押してしまうので気をつけましょう。

右の図】インパクト後、ラケットを前に押すと、下回転の球とラケットが正面衝突してネットを越えません。ラケットが下回転の影響をもろに受けて、真下に落ちてしまいます。

もう少し詳しくお話しします。

①下回転の球は水平に回転軸があり、縦に回転しています。

②右側の打点をラケットで捉え、ラケットを前方に押すのではなく、手前に引きます。

③回転軸がずれて、斜め上回転に回転が変化します。この様に回転軸をずらすと、ラケットに球が引っかかりやすくなり、持ち上げることができます。バックハンドも同様です。

軽く打っても回転スピードに負けることなく、持ち上がります。またライジングで球を捉えればさらに効果的です。緩急を付けたドライブも打てる様になり戦略的にも優位に立てます。

若い方達の力強いドライブには負けますが、ネットを越える確率は高くなると思います。勿論、戦型により打法は異なります。例えば、手元に充分引きつけて角度打ちと言う方法もあります。あくまでも前述の打法は一例としてご紹介致しました。

丹阿弥清次

1955年生まれ。広告デザイン会社退社後、デザイン会社を起業して三十数年。卓球歴は大学以来40年の空白状態。還暦前に再挑戦。しかし奮闘努力の甲斐もなく今日も涙のボールが落ちる。

※批判的なコメントはご容赦願います。